2016-08-28

和歌山県友が島の煉瓦構築物(速報)

【追記】以下文中の中で『トーチカ発見』と何も調べず迂闊にも記してしまいましたが、和歌山の研究者の方から、次のご指摘を頂きました。

第一砲台近辺にある鉄蓋の遺構は、トーチカではなく着弾観測所です。第一・二砲台は、27糎カノン砲で敵艦と砲戦をおこなう砲台で、砲には防盾がつき、観測所も装甲されています。内部の三本の柱は、測距儀の台になります。一方、28糎榴弾砲を配備した第三・四砲台は高所砲台で、敵艦の砲撃を受ける可能性が低いため、無蓋の観測所となっています。

ご指摘、大変ありがとうございました。本文を修正させて頂きました。
【追記ここまで】

先日大阪出張に合わせて、ちょっと和歌山まで足を伸ばしてきました。取り急ぎ面白そうな写真を数枚アップします。
4第2砲台修正.jpg
天空の城ラピュタに似ていると言われているこの友が島・・・第二砲台はかなり崩れています。

例によって写真中央にスマホが置いてありますが、アプリの傾斜計では14度になっていました。
3第2砲台修正.jpg
続いて第一砲台の弾薬庫から灯台に上る階段です。
iphone3.jpg
続いて興味深いのはこちら。
7聴音所刻印.jpg
わざわざ刻印を見せるように上部に『平(煉瓦の一番大きな面積の部分)』を見せて積んでいます。

これは建物の内部に当たるところで、目地の仕上げが雑なところから、この上に壁を貼っていたのではと思うのですが・・・なぜ刻印を見せるように積んだのかは謎です。

もう一つ刻印を!!!
14道端の刻印.jpg
ここには二個の煉瓦に刻印を発見しました。
1煉瓦倉庫.jpg
こちらの建物は、外観はしっかり立っていますが、内側に回ると、屋根や床は崩れ落ちて、荒れ放題でした。

この建物の煉瓦積みのアップです。
2煉瓦倉庫.jpg
皆様ご存じのイギリス積みですが、ここでよく見てください。

明治半ばの煉瓦製造技術は今ほどではなく、焼くと長手も小口もかすかに弓なりに反ります。

その反った煉瓦の凸を上にして積むか、下にして積むか、あるいは関係なしに積むか、実は先日の煉瓦研究会の巡見の時に議論になりました。

これをご覧いただくと、ほぼ凸を下にして積んでいるのがお分かりかと思います。

しかし中には凸を上にして積んでいるケースもあり、明治の職人さんがどこまでこだわって作ったのかはよくわかりません。

そして探検気分でちょっとだけ藪漕ぎして、雲霞の中を潜り抜けると・・・

なんと着弾観測所を発見!!

煉瓦造りではありませんが、なかなか観られないものなのでアップします。
5トーチカ内部.jpg
内部のコンクリート製の四角柱は後からのものでしょうか???

上部から見ると、こんな感じです。おそらく岩をくりぬいて作られているのではないかと思われます。
6トーチカ上部.jpg
続て第三砲台跡です。
8第3砲台.jpg
雰囲気があっていいですねぇ。
9第3砲台.jpg
10第3砲台.jpg
何れも魚眼で撮ってみました。
11第3砲台.jpg
最後に将校宿舎跡ですが、一見木造・・・と思いきや、なんと壁は煉瓦で作られています。
13将校宿舎.jpg

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